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- 貯金100万~300万くらい貯まったから会社辞めたい!
- 金額が少ないのは分かっているが…
- 今の会社がイヤすぎる!
そういった悩みをお持ちの方も珍しくはないかもしれません。
特に最近は労働環境が悪すぎるブラック企業が多いため、貯金があればさっさと辞めたいと考える方も多いです。
しかし、さすがに貯金100万とか300万程度で会社を辞める!なんて言ったら、大抵は止められると思いますが…。
そのくらいの金額は、会社を辞めてしまうと割とすぐになくなってしまう金額ですからね…。
1000万円ならまだわかりますが、流石に100万~300万程度ですとなかなか厳しいかもしれません。
しかし、そんなこと言ってられないくらい会社を辞めたいのかもしれません。
100~300万貯まったから会社を辞めたい時の対処法について解説します。
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貯金100万~300万程度でも会社を辞めたい人は多い…
普通は「貯金100万~300万あるから会社辞めたい!」なんて言ったら、反対される傾向にあると思います…。
やはり金額が少なすぎますからね…。
ですがネットやSNSなどを見てみると、
貯金100万しかないけど会社辞めたい。
みんな辞めていくし仕事がきつすぎる。
給料が良ければもっと貯まっていたはずだが…。
貯金200万もないけど、会社辞めても大丈夫かな?
時給換算で最低賃金割ってるからマジできつい
残業休日出勤多すぎて在職中の転職活動はとてもじゃないけどムリ
300万貯まったら会社辞める!
とりあえず失業保険もあるしなんとかなるでしょ
有給も使えないから辞める前に探すのは無理かな(^-^;
こんな意見が散見されますね。
やはり100万とか300万程度の貯金なると、かなり心許ない金額だとは思いますが…。
一応、人によっては一年とか、それ以上なんとかなる可能性はあります。
完全に働かないとなると厳しくなりますが…。
まぁ最近は人手不足の会社も多いので、バイトくらいはすぐ見つかりますからね。
ただ、やはり100万~300万程度では心許ない…
しかし、やはり100万とか300万程度しかない貯金で会社を辞めてしまうのは、かなり心許ないと言わざるを得ません…。
お金がなくなると、人間はやはり焦ってきますからね。
私もそんな感じで無鉄砲に会社を辞めたことはありますが、後で生活に困窮して苦労しましたし…。
貯金が日々目減りしていくのは、やはり恐怖ですよ。
あんな思いは二度としたくないですね…。
税金や社会保険料負担も考慮に入れておく必要がある
あと、会社を辞めると税金や社会保険料などの出費も発生するのが痛いですね。
普段は給料から源泉徴収されていますので、意識していない方が多いと思いますが…。
収入があるから相殺されてプラスになって手取りいくらになってるだけです。
仕事を辞めてしまうと、当然総支給となる給料だけが無くなってしまいます。
そこから引かれるはずの税金や社会保険料は、相変わらず前年の所得から計算して払う必要があるため、請求だけは来るのです!
そこを計算に入れておかないと、貯金100万とか300万程度のお金では、すぐに無くなってしまうかもしれません…。
年収低い方ならその分税金や社会保険料負担も低めですが、年収高い方はかなりの請求が来る可能性もあります…。
貯金100万とか300万で会社を辞めてもいいのか?は、よく調べて考えてからにしたほうが良いでしょう。
住民税の請求が一括で来る可能性が!
会社を辞めた後に一番怖いのが、これです。
サラリーマン程度の年収なら、所得税や社会保険料はある程度予想ができる金額ですが…。
住民税となると、6月~翌年5月まで毎月支払う必要があります。
年をまたいでしまうと、5月分までの住民税が一括で請求が来る可能性があるのです!
12月までの退職なら、相変わらず毎月請求がきたり、4期とか6期に分けて請求が来たりしますが…。
自治体によっても微妙に変わってきたりするようなので、わかりません。
とりあえず給料明細を見て、「今期分の住民税は、あといくら払う必要があるのか?」を計算しておいたほうが良いでしょう。
失業による住民税減免制度があるかは自治体による
後述しますが、ほかの年金や健康保険については、免除や一部免除などが失業により認められる可能性もありますが、 住民税については減免措置があるかは自治体によります。
もともと「前年の所得に応じて、一定割合を納税する」という税金なので、減免制度があっても審査が厳しかったりする自治体も多いです。
金額によっては、100万とか300万もいかないような貯金なんて、住民税だけで飛んでしまう可能性もありますからね…。
ちなみに所得税については、会社が毎月「前年はこのくらいの年収だったから、毎月このくらいの所得税だろう」と見込みで源泉徴収してるだけです。
会社を辞めれば自分で確定申告をして、その時に払う必要がありますが、とりあえずは請求は来ません。
むしろ会社を辞めれば前年より所得が下がる可能性が高いので、所得税は確定申告して戻ってくる可能性が高いです。
確定申告は必ずしましょう。
国民年金、国保などは減額や免除も可能
あと払う必要があるのが、
- 国民年金
- 国民健康保険
この2つです。
会社を辞めると役所に手続きに行かないといけないので、離職表が届いたら必ず手続きに行きましょう。
ただ国民年金については、失業を理由に免除を受けられる可能性があります。
国民年金は毎月16000円くらい払う必要があるため、無職になるとかなり痛い出費です。
貯金100万とか300万程度で会社を辞めてしまうと、支払うのは難しいでしょう。
国保や住民税よりは、国民年金が一番審査は緩い印象ですね。
全額免除になっても国庫負担で老後半分は年金が貰えるため、忘れずに免除申請したほうがいいでしょう。
国民健康保険は、貯金100万程度だときついかも…
国民健康保険については、扶養控除などが適用されませんので、一般的には会社を辞めると高くなる可能性が高いことが多いです。
こちらも自治体によっては免除や軽減ができる可能性がありますが、最近は「国民健康保険税」と名前を変えて税金にしてる自治体も増えてるようです。
こちらは所得が高いとかなり高くなる可能性があるので、貯金100万とか300万程度だと、毎月ゴリゴリ削られていく可能性がありますね…。
あとは会社都合退職だと減免制度が利用できたりするので、一度役所に相談に行ったほうがいいでしょう。
前年の所得が高いと減免制度が利用できなかったりするので、役所のHPや窓口で確認するしかないですね。
これまでの健康保険に任意継続して加入する手も
しかし国民健康保険を払わなくてはいけない場合は、会社を辞めて二週間以内に手続きすれば、これまで通り会社の健康保険に任意継続で最長二年間加入できます。
そちらのほうが金額が安くなるケースも多いです。
ただこれまでは会社が半分折半で払ってくれてたので、給料明細で引かれてる健康保険の金額の約二倍支払う必要がありますが…。
ただ任意継続は上限の保険料が定められてて、マックスでも三万円くらいです。
なんにせよ、あなたは貯金が100万~300万程度しか無いわけですから。
どちらが毎月の保険料が減るのか?よく考えてから辞めた方がいいと思います。
すぐ再就職活動するつもりなら貯金100万程度でもなんとかなると思いますが、思いのほか転職活動が難航することも考えられますし。
こちらでも詳しく書いていますので、参考にしてください。
⇒会社を辞める前に貯金はいくら必要?最低必要額と5つの注意点
自己都合退職だと、2ヶ月経たないと失業給付が出ない!
貯金100万とか300万程度の金額で会社を辞めようとしている方ですと、失業保険を頼っている方も多いと思います。
- 「会社を辞めても、とりあえず失業保険があるし…」
- 「すぐには無収入にならないから、大丈夫だろう」
- 「毎月真面目に雇用保険払ってるんだし…」
こんな風に考えて、貯金100万程度でも辞める人も多いです。
ですが、貯金100万程度で会社を辞めるつもりの方は、自己都合退職の方が多いでしょう。
自己都合退職の場合は、失業給付が支給されるまでに2ヶ月間の待機期間が存在するのです。
つまりは会社を辞めると2ヶ月間は失業給付が出ないため、2ヶ月間は無収入になってしまうということです。
※これまでは3か月の待期期間でしたが、2020年10月からは2か月に短縮されました。
貯金100万とか300万程度ですと、2ヶ月も無収入の期間ができてしまうと、かなり貯金を削られる可能性が高いと思いますね…。
ましてや、住民税や健康保険の請求も来るわけですし。
それにプラスして生活費までかかっていたら、100万程度はすぐに無くなってしまう可能性が高いでしょう。
独身で生活費安いならなんとかなるかもしれませんが、なかなか厳しいかもしれませんね…。
⇒【自己都合】失業給付の期間は?会社都合にすれば延ばせるのか?
在職中に次の会社を見つけるべき
ですがやはり、貯金100万とか300万程度では心許ないです。
普通、
- 「貯金100万あるから会社辞めたい!」
- 「300万はあるから、辞めてもいいよね?」
なんて誰かに言ったら、猛烈に反対されると思いますからね…。
特に日本人は勤勉ですから、宝くじで一億当たったとしても、「一億なんてすぐ無くなる!一億じゃ会社は辞められない」なんて言う人が多いですし。
それに実際、上で述べたように100万とか300万程度では、すぐ無くなってしまう可能性が高いですからね…。
なので、やはり在職中に次の会社を見つけてから辞めた方が良いと思います。
その方が空白期間も空きませんから、せっかくの貯金を目減りさせずに済みます。
これからの人生でお金なんて更に必要になってくるでしょうし、100万~300万とかの貯金じゃ不安すぎます。
更に貯金を増やしていかないといけないのに、会社辞めて使ってる場合じゃありませんからね。
幸い最近は転職も一般的になってきており、仕事も見つかりやすくなってきています。
帝国データバンクの2025年4月の調査によると、51.4%の企業が「正社員が足りていない!」と回答しており、最も高い情報通信業では69.9%と深刻な人手不足が続いています。
このチャンスを逃さずに、次の会社を見つけてしまった方が良いでしょう。
職業訓練を受けて、失業保険の受給期間を延ばす裏技も
しかしそうは言いましても、最近は人手不足に陥っている会社なども増えてきていますからね…。
なかなか転職活動の時間もとれない方も多いのではないでしょうか?
そういった状態に陥っていると、
- 「100万あるから、とりあえず食うには困らないだろう」
- 「300万くらいはあるから、辞めてから仕事探そう」
こんな考えにもなりがちです。
実際、時間がないと辞めてから転職活動せざるを得ないですからね…。
しかし、雇用保険をかけていたのであれば、失業給付が貰えます。
すぐに無収入になるわけではないのです。
ただ自己都合退職ですと、三ヶ月間の待機期間があり、すぐには失業保険が貰えないのですが…。
職業訓練に通い出すことで、その給付制限が外れて、すぐに失業保険が貰えます。
そのうえ、訓練期間中は失業保険が延長して貰えるのです!(条件アリ)
貯金100万とか300万もいかないような会社に勤めているのであれば、是非とも利用したい制度です。
転職活動は、思いの外難航する恐れもありますからね…。
貯金が100万程度しかないなら、こういった制度を利用して収入を確保していったほうが良いかもしれません。
職業支援・給付金などについて知る|ハロトレ特設サイト|厚生労働省
未払い残業代があるなら、退職時にまとめて請求するという手も!
貯金100万~300万程度で会社を辞めるのは、やはり心許ないです…。
しかし、もしかしたらの話なのですが、今の会社で未払いの残業代がある可能性もあります。
本来残業代なんて一分単位で支払う義務がありますし、法定労働時間外の残業については、きっちり割り増しで残業代を支払う必要があります。
よほど労働環境が良い会社でないと、大抵は大なり小なり未払い残業代があるものです。
貯金100万とか300万で会社を辞めようとしてるのであれば、未払い残業代をふんだくってから辞めるのも手段の一つです。
…ただ、未払いの残業代がある!とこちら側が立証しなくてはいけませんが…。
タイムカードのコピーなどが必要になりますね。
或いは退職を遅らせても良いのであれば、これから労働時間を記録して、後で残業代を請求するのも良いかもしれません。
最近はGPSで労働時間の記録をつけられるスマホアプリなどもあります。
残業代請求の時効は二年ですが、交渉次第では口止め料なども含めてそれ以前のものも貰える可能性あります。
なんにせよ100万とか300万程度の貯金では心許ないのは事実です。
どうせならこうやって、退職時に未払い残業代をふんだくってみるのも良いかもしれません。
まとめ
あなたのように、貯金100万とか300万程度でも会社を辞めたい!と考える人は実際多いと思います。
貯金がたくさんあろうが無かろうが、仕事がイヤなら一刻も早く辞めたいでしょうし。
仕事が原因で死んでしまう人も多いですからね…。
ただやはり、退職すると収入がなくなる割に、出て行く金額も多いです。
だからブラック企業でも会社を辞められず、渋々働き続ける人が多いのですが…。
正直、もっと失業者に優しくしろよ!とは思いますね…。
しかし、次の仕事を早く決めるなら、別に貯金が100万くらいしかなくてもなんとかなるでしょう。
幸い最近は転職も一般的になってきていますし、もっと良い環境にも移りやすくなってきています。
貯金100万とか300万でも目減りするのは怖いので、できるだけ早めに次の会社を見つけた方が良いでしょう。
今ならもっと給料良かったり、労働環境も比較的良い会社にも行ける可能性がありますので…。